fall in labo〜恋する研究室〜
「先輩、お薬買ってきましたよ。」


カワサキはベッドで寝ていた。

寝息が苦しそう。

私が代わってあげられたらいいのに。


「ここに置いときますね。」


枕元に薬とミネラルウォーター、スポーツドリンクを置く。


「起きたら、飲んでください。」


多分聞いてないとは思うけど、言わないと何か間が持たない。

たまに咳をしながら不規則な寝息を繰り返す横顔を、私はじっと見つめる。

不思議な気分だ。

私がカワサキの家で、カワサキの寝顔を眺めてるなんて。

そっとカワサキの頬に触れてみる。

熱い。

やっぱり、熱がある。


「あ、そうだ。」


私は熱冷まし用のジェルシートを買って来てたことを思い出した。

勝手に貼っちゃっていいかな?

いいや、貼っちゃえ!

前髪を上げておでこに手を当てたとき、カワサキが目を開いた。
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