fall in labo〜恋する研究室〜
普通になんてできないけど、何事もなかったように席に戻った。


「誰からの電話?」

「ん?親だよ。」


我ながらいい答えをしたと思ったけど、浩実は私の顔を覗き込む。

……疑ってる?


「ウソだ。親からの電話で、そんなに嬉しそうな顔はしないでしょ?」

「そう、かな?」

「ホントは、誰からなの?」

「ん?うーん。」


言っちゃダメだ、絶対。

私が次の言葉を探していると、ダイキくんが話題を変えてくれた。


「そう言えば、川崎さん大丈夫かなぁ?」

「来てないの?」

「うん、昨日辛そうだったんだよな。」

「でも、明日は来るみたいだよ。」


私の一言で会話が止まる。

何?何か、マズイこと言った?私。


「何で、若菜ちゃん知ってるの?」

「何を?」

「川崎さんのこと。」

「……あっ!」


ダイキくんと浩実が目をまん丸にして私を見ている。
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