fall in labo〜恋する研究室〜
人間、驚くとどんな行動をとるかわからない。
今日の私の場合、カワサキを突き飛ばしていた。
いや、正しくは、カワサキはビクともしないで、私がよろめいただけだったけど。
「今、何て言いました?」
私は思わず聞き返した。
聞こえてないわけじゃないけど、自分の耳が信じられなかった。
でも、カワサキはニッコリ笑って私に言う。
「もう、言わねぇよ。俺、優しくないから。」
「えぇっ!」
こんなんなら、ちゃんと聞いとくんだった。
自分のことで精一杯で、言葉の意味なんて考えてなかった。
「あのさぁ、俺、そんなに難しいこと言ってないけど?」
考え込む私をカワサキは笑う。
「うーん……じゃあ、さっきの言葉は、本当ですか?」
我ながらいい質問だと思った。
カワサキは、すぐに答える。
「うん、ホント。」
カワサキがそっと差し出す右手に私の左手が重なる。
私が握れば、握り返してくれる。
そんな、何でもないことが、ものすごく嬉しかった。
「このまま、どっか行っちゃう?」
「……えっ!」
「ウソだよ。」
今日の私の場合、カワサキを突き飛ばしていた。
いや、正しくは、カワサキはビクともしないで、私がよろめいただけだったけど。
「今、何て言いました?」
私は思わず聞き返した。
聞こえてないわけじゃないけど、自分の耳が信じられなかった。
でも、カワサキはニッコリ笑って私に言う。
「もう、言わねぇよ。俺、優しくないから。」
「えぇっ!」
こんなんなら、ちゃんと聞いとくんだった。
自分のことで精一杯で、言葉の意味なんて考えてなかった。
「あのさぁ、俺、そんなに難しいこと言ってないけど?」
考え込む私をカワサキは笑う。
「うーん……じゃあ、さっきの言葉は、本当ですか?」
我ながらいい質問だと思った。
カワサキは、すぐに答える。
「うん、ホント。」
カワサキがそっと差し出す右手に私の左手が重なる。
私が握れば、握り返してくれる。
そんな、何でもないことが、ものすごく嬉しかった。
「このまま、どっか行っちゃう?」
「……えっ!」
「ウソだよ。」