私が彼女を殺した訳(理由)
『遅れてすんません!寝坊しちゃって…』

洋一さんが小走りにやって来た。

私は目が合う事を期待して洋一さんを見つめていた。

でも洋一さんの視線は杏子を捉えたままだった…。

ミーティングが終わるまでずっと…。

杏子はまだそれに気づいていない。

私は一刻も早く洋一さんの視界から杏子を外したかった。

絶対に杏子に気づかせたくなかった。

その時女将の一声で私の不安は一時しのぎ出来た。

『洋一、すぐに事務所で予約の確認してちょうだい』


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