私が彼女を殺した訳(理由)
なんとも言えない怒りと憎しみが私を包みそれは全て杏子へ向けられていた。

悪魔が笑っている。

私は立ち上がると、杏子を殺す方法を冷静に考え始めていた。

今までの悲しみや辛さがいいバネになり私を引き止めるものは何もなかった。

杏子、あんたは私に殺されるんだよ。

私の今までの苦しみを全部あんたにあげる。気が付くと笑っている自分がいた。

心から楽しい気がするなんて初めての感情だ。

不思議だね、人間て。
本当は今頃ぐちゃぐちゃの死体になってたはずなのにね…。


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