私が彼女を殺した訳(理由)
杏子、やっぱりあんたは私を逃がしてはくれないんだね…。

やっとあんたの蟻地獄から解放されたと思っていたのに…

逃げ切れたと思ったけどそこはまだあんたの中だったんだ。


私はもう逆らわない。
きっと私達はこの世でもあの世でも離れなれない運命なんだね。



『幸子、私達は死んでも親友だよ』


洋太郎の姿をした杏子が微笑む。


ああ…そうだったね。

私達はずっと一緒。


私はもう未練など何もなかった…。


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