ほたるのなみだ
3回くらいのコールで、須賀さんはすぐに電話に出た。


「もしもし、アイです。さっきはありがとうございました。」

受話器の向こうはガヤガヤしていて、須賀さんは焦ったように答えた。

「ごめん、今まだみんなといて、ラーメン食ってるんだ。うるさいでしょ、ごめんな。」

「あ、そうだったんですか。ごめんなさい。」

あたしは謝って、すぐに電話を終えようとした。

「待って、俺帰ったらかけ直してもいい?」

あたしは正直、次の日仕事があったので、電話を待ってるのはしんどいと思った。

でも、自分から電話をかけた手前、なんだか断るのも悪くて

「待ってますね」
と答えた。

< 5 / 7 >

この作品をシェア

pagetop