ほたるのなみだ
自分の住むアパートに着いたのは午前2時半くらいのことだった。

あたしはメイクを落とし、アップにしていた髪の毛をほどき、部屋着に着替えた。

電話が終わった後はすぐ寝られるように、布団も敷いた。


好きなバンドのブログが更新されていないか、携帯を開いたちょうどそのとき、携帯が鳴った。

須賀さんからだった。


「あ、もしもし、須賀だけど…さっきはごめんね。」

「あ、いえいえこちらこそ!皆さんいるときに電話しちゃって。気まずくなりませんでしたか?」


「いや、めっちゃ冷やかされたよ、でも」


「アイちゃんから、かかってくるって思わなかったから、嬉しかった。」


須賀さんの言葉に、あたしは少し頬が緩んだ。


少し沈黙が流れたあと、少しうわずった声で、須賀さんがあたしに聞いた。

「アイちゃんは、彼氏とか、いるの?」
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