ほたるのなみだ
「そんなの、いないですよ。」
あたしは笑って答えた。

事実、本当にいなかった。

短大のときに付き合っていた彼氏と、冬に別れてから8ヶ月。

何もないわけではなかった。

気になる人はできても、彼女がいたり、アプローチされても、気が乗らなかったりで、うまくいかなかった。


なんとなく恋愛に疲れて、面倒くさいと思っていて、
昔からの女友達とばかり遊んでいた。


寂しい思いをしたり、傷ついたりするのが嫌だった。


でも、女友達だけでは埋められない寂しさがあることにも、薄々気づいていた。

彼氏はいないと答えると、須賀さんは毎日、あたしが眠りにつく前のちょうど寂しさを感じる時間に、メールや電話をくれた。

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