KITUNE
にっこり微笑む笑顔は、可愛い。

「こんにちわ」

「こんな所でどうしたの? 道に迷ったの?」

「ううん。コムラの所に行こうとしているの」

「コムラ? あなた、コムラを知っているの?」

女の子はキョトンとした。

「ええ。昨日、この山で迷っているところを助けてもらったの。だから今日はそのお礼をしに来たんだけど…」

「ああ、そのスイカ! 美味しそうね」

女の子は眼を輝かせて、わたしの担いでいるスイカを見た。

「ちょっと待ってて! コムラを呼んで来るから!」

「えっ! いっいいわよ。ちゃんと行くから」

「ダメダメ」

そう言って女の子は踵を返した。
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