KITUNE
「…本当にコムラの知り合いなの?」

「もちろん。じゃなきゃ、キミのことは知らないハズだよ」

そう言ってしゃがみこみ、わたしと視線の位置を合わせてきた。

「にしても…」

ふと真面目な顔になり、キムロはわたしの顔をじっと見た。

「なっなに?」

「う~ん。…キミは普通の人間か?」

「はあ?」

どこか普通じゃないように見えるんだろうか?

思わず自分の体を見回した。

「この森で、平然としていられる人なんて珍しいんだよ。しかも『俺達』とも普通に出会えてる」

「…あなた達と出会えちゃいけないの?」

< 17 / 75 >

この作品をシェア

pagetop