KITUNE
「うん。普通は、ね。出会わない方がいいに決まっている」

その言葉に頭にかっと血と熱が上がった。

「イヤよっ! 出会わない方が良かったなんて、そんなことない! 絶対にない!」

「言い切るね。若い証拠だ。でも…」

キムロはスッと手を伸ばし、わたしの顎を掴み上げた。

そんなに強い力じゃない。

けれど…手が異様に冷たい。

「『俺達』の正体を知って、それでもなおその言葉が言えるなら、俺はキミを歓迎するよ」

「…つまり、今のところは歓迎していないのね?」

「不用意に近付いてきた人間―としか思っていないことは確かだね」

そう言って、にっこり微笑む。

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