KITUNE
上には、先程の少女がわずかに険しい顔をして立っていた。

「俺達三人ならば、キミに危害は加えない。他の奴等はどうだか知らないけどね」

「黙れっ! キムロっ!」

「やれやれ…」

肩を竦めるも、キムロは大して気にしていないようだった。

わたしは立ち上がり、服のゴミを払った。

「コムラ、わたし帰るね」

「えっ。…あっ、ゴメン。りん、ほっといたワケじゃ…」

「うん。ちょっとタイミング悪かったみたいだから、今日は出直すわ。スイカ、良かったらキムロも食べてね。美味しいから」

「それはどうも」

< 20 / 75 >

この作品をシェア

pagetop