KITUNE
家の中
祖父と祖母の家は大きくて、広い。
戦前に建てられたこの家は、それでも年に一度、建設会社の人がちゃんと点検をしてくれるので、不便なところはない。
「ただいま~」
「おかえり。お友達にはちゃんとお礼を言った?」
涼しげな水色の浴衣を着ている祖母は、ちょっとボケているが、静かで大人しい。
感情を爆発させたことなんてなさそうな人だ。
「うん…。でもノド渇いちゃった」
「一緒に食べてこなかったの?」
「うん。お客さんが来てたから、遠慮したの」
ある意味、ウソじゃない。
「そう。じゃあ麦茶でも飲む? オレンジジュースも買ってあるよ」
「麦茶飲みたい。オレンジは夜に飲む」
「分かった。茶の間で待ってて」
戦前に建てられたこの家は、それでも年に一度、建設会社の人がちゃんと点検をしてくれるので、不便なところはない。
「ただいま~」
「おかえり。お友達にはちゃんとお礼を言った?」
涼しげな水色の浴衣を着ている祖母は、ちょっとボケているが、静かで大人しい。
感情を爆発させたことなんてなさそうな人だ。
「うん…。でもノド渇いちゃった」
「一緒に食べてこなかったの?」
「うん。お客さんが来てたから、遠慮したの」
ある意味、ウソじゃない。
「そう。じゃあ麦茶でも飲む? オレンジジュースも買ってあるよ」
「麦茶飲みたい。オレンジは夜に飲む」
「分かった。茶の間で待ってて」