KITUNE
「ボク等は…何でも良いんだよ」

コムラは腰に下がっているキツネのお面に視線を向けた。

「信仰と言うより、ボク等の存在を知って、認めてくれればそれで良いんだ」

「でも今は…」

「うん。大分減ってしまったからね」

…昨夜からずっと、考えていた。

わたしは…どうすべきか。

でも答えは出ないまま、コムラも何も言わないまま、社に着いた。

軒の下の影に、ミトリとキムロが笑顔で待っていた。

わたしは笑顔で手を振り、答えた。
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