KITUNE
でもその前に、やりたいことがあった。

「…ねぇ、コムラ。わたし、最後にここでやりたいことがあるの」

「何?」

「あなた達のお祭り、わたしも行きたい」

ぴたっ、とコムラの動きも表情も固まった。

「りん、それは…」

「無茶なお願いだって言うのは分かってる。でも少しでも長く…あなた達といたいの」

この森で、わたしはたくさんの者と知り合った。

そして仲良くなった。

だから…わたしは決心したのだ。

「…危ないよ?」

「分かってる。食べられちゃうのよね」

「なら…」

「でも行きたいの」
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