KITUNE
「それじゃ、行こうか」

コムラが手を差し出してきたので、わたしはお面を着けて、彼の手を握った。

「キムロとミトリは先に行ってるの?」

「うん。りんにとって、危険なヤツもいるからね。先に見に行ってる」

「今日は全員集まるの?」

「一応は。後は年末、年始ぐらいかな」

「ウチの親戚もそうよ」

お面の中でクスっと笑うと、コムラは困り顔でわたしを見た。

「今日のこと、誰かに言った?」

「言ってないわよ。浴衣の着付けは教えてもらってたから、一人で着れたの。どこかおかしい?」

「ううん、ちゃんと着れてる。可愛いよ」

「ふふっ。嬉しい」

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