KITUNE
「…どーりでキムロは食えないワケだわ」

「それはどうも。何せ狸だからね。化かすのは得意なんだ」

茶色の浴衣を着たキムロと、萌黄色の浴衣を着たミトリ。

「二人とも、浴衣姿がピッタリね。やっぱり和の神様だからかしら?」

「ふふっ、アリガト。りんも可愛いわよ」

ミトリが手をつないできたので、両手はふさがってしまったけれど…二人の手を、離す気は無い。

「一応一回りしてみたけれど、…やっぱりちょっと危険なヤツも参加しているわ。気をつけてね、りん」

「分かってる」

…けれど、もう、止められなかった。

「あっ、ミオだ」
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