KITUNE
「何で!? ここ数十年、参加していなかったのに!」

「気まぐれなヤツだからのぉ。りん、ヤツに見つかれば一発だ。…分かっているな?」

「…ええ」

「なら、良い」

そう言ってミオは人ごみの中に戻って行った。

…きっとミオには分かってしまっているんだろうな。

わたしの覚悟の意味が。

「…ねぇ、コムラ」

「何、りん」

「わたし、山の主様に会ってみたい」

「なっ何を言い出すんだ! りん!」

「大声出さないで、目立っちゃう」
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