KITUNE
「主、お久し振りです」

まずキムロが声をかけた。

すると主はゆっくりと振り返り、こちらを見る。

「―キムロか。久しいな」

「ええ」

キムロは緊張なんてしていないように見える。

流石は狸。

「こんばんわ、主」

続いてミトリも挨拶をする。

「ミトリも一緒か」

「うん、たまにはね」

隣のコムラが息を吸う音が聞こえた。

「こんばんは、主。お久し振りです」

< 61 / 75 >

この作品をシェア

pagetop