KITUNE
ぎゅうっと抱き締められた。

「ボク、りんのこと好きだよ」

「わたしもコムラのことが好きよ」

でもわたしの方が先に好きになったことは、まだナイショ。

…恥ずかしいから。

「わたしがコムラのお嫁さんになったら…狐の嫁入りってことになるのかしら?」

「ぷっ…。でもそれ、まずは主に許しを貰わないと、ボクなんて捻り潰されそうで怖いよ」

…あり得るな。

「そうね。まあ嫁入りはまだ先として。まずは…」

わたしはコムラの手を掴んで、立ち上がった。

「神社の修理をしましょ? もうちょっと見た目良くしないとね」

「ははっ…。りんには叶わないよ」
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