まもりねこ。

 いつもはノックをするのだが、今日は勢いよくドアを開けて中へ入り、エレンお婆ちゃんの姿を探す。

「おばーちゃーん!! ……こんな時にどこかにお出かけかしら」

「ネム。二階だ。そこからニオイがする」

「さんきゅ!」


 二階に上がるの初めてなので、恐る恐る階段を上がった。


 そしていくつかある部屋のうち、ディルクは突き当たりの部屋を尻尾で合図した。


「う~……お化けとか出ませんように!!」

「魔女が何を言うか。ほれ」


 ――ネムはとっさに手で目を覆った。


 それもそのはず。


 まだ心の準備が出来ていないのに、ディルクが部屋を開けてしまったからである。


「……ネムとディルクじゃないかい」

 聞きなれた、温かみのある声を聞いてネムは手を下げると、そこにはいつもより元気のなさそうなお婆ちゃんがいた。





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