まもりねこ。
「お婆ちゃん! なんでいつものお部屋にいないの!? それにエルフ達が一人もいないなんておかしいじゃないの! だって――」
ネムを落ち着かせようと、お婆ちゃんはホットミルクを渡した。
お婆ちゃん特製のホットミルクはネムの大のお気に入りである。
甘めに出来ているものの、後味はすっきりミント味なので何杯でも呑めてしまう。
「ちょっと落ち着きなさい。ネム」
「でも、気になるのよ、あたし」
お婆ちゃんは、ディルクに目線を移した。
「わ、わたしは早く帰ろうと申しました」
慌てて弁解するディルクに笑顔を見せ、お婆ちゃんはゆっくりうなずいた。
「えぇ、えぇ。お前の事だ。そうしたろうと思ってるよ。大丈夫」
「さてと――。まず、どこから話そうかね?」
そう言うとお婆ちゃんは幻獣を呼び寄せた。
――といっても素早く呪文を唱えたのでネムには何も聞こえなかったが――
いつの間にかどこからかたちまち白い煙がもくもくと出てきて、視界が遮られるほどだった。