まもりねこ。
 
 そこに現れたのは、銀色をした、角の生えた馬のような生き物。
 
 尻尾は蛇のようで、しっぽの先には蛇の顔がついている。

 初めて幻獣を見たネムは恐怖と興味とで声を出せなかった。


「ネム、初めて見るかい? これは幻獣の中でも下の所属の者だ。名をツキヨミという。」

「あ、当たり前よ! ママだってこんな術使わないもん……っていうかなんでディルクはコレ見ても平気なのよ!?」


 ディルクの代わりにお婆ちゃんが笑いながら答えた。


「この子も幻獣のようなものだからかね」

「えっ、うそでしょ」


 ありえないと言った顔でディルクを見ると、少し悲しそうな顔をしていた。


「ごめん、ディルク。ちょっとビックリしただけ。さ、続けて」


 ホットミルクを持った反対側の手でディルクを抱っこし、ひざにのせ、頭を撫でながら言った。


「ツキヨミ。マルティナにネムは私のところにいるからと伝えてきておくれ。報酬は……そうだね、トカゲ4匹くれてやろう」


 そういい終わった頃にはツキヨミは居なくなっていた。





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