まもりねこ。
すると、ディルクはやっと話し出した。
「いや、少し考えていたのだ。それに何か言うとお前はすぐに怒り出すではないか」
図星だったのでネムは何も言い返せず、次のディルクの言葉を待った。
しかしまた黙りだしたのでネムは呆れた。
でも今度は文句を言わず、ゆっくり待つことにした。
ディルクはふざけて黙るような子ではないのがネムには十分わかっていたからだ。
「あのブレスレットには、母上の愛と、願いが込められている。それに……」
ディルクはそこで一旦話を切った。
どうやら、最後まで言おうか悩んでいる様子だった。
「それに?」
「ブレスレットには……シーオークの髪の毛と山奥の神聖な水、それに石が調合されているのだ」