まもりねこ。
ネムには意味が分からなかった。
シーオークは善良な妖精で、なぜその髪の毛が入っているのか。
神聖な水はあってもなくても構わないような気がしたし、それに石ってなんだろう。
それを話すのをなぜディルクがためらっていたか、理解出来なかった。
その意味を何回ディルクに聞いても話してくれなかった。
ただ、‘世界を我が物に’とだけ呟いた。
――その日は一日中、二人とも黙ったままだった。
わざと話さないのではなくそれぞれ考えるのに夢中だったからだ。
ディルクは相変わらず考えているようだったし、時折ブツブツ呟いていた。