まもりねこ。

 そこには白い煙と共にさっきの幻獣――ツキヨミがいつの間にか立っていた。

「コヨイ、ハ、トマレ」


 ツキヨミはそう告げると4匹のトカゲを嬉しそうに咥え、消えた。


 喋ると思わなかったネムを横目に、お婆ちゃんは話を続けた。


「ツキヨミが言っていたとおり、今夜は泊まるべきだろうね。ディルクもそう思うだろ」

「えぇ。わたしもそう思います」


 久しぶりにお婆ちゃんの話をたくさん聞けると思うと、ネムは飛びはねて喜んだ。



 ――ホットミルクはこぼれそうになり、ディルクはびっくりして膝から落ちたが。



「今日は買い物に行けないから、昨日の残り物で我慢しておくれ」

「ううん、お婆ちゃんのゴハン好きだからなんでもいい♪」


 そんな二人の会話を聞きながら、ディルクはツキヨミの言葉を思い出していた。


 ――コヨイ、ナニカガ、オキル――


 そう、ツキヨミは幻獣の言葉でディルクだけに言葉を残していたのである。





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