まもりねこ。

 ネムはというと、ディルクが最後に言った言葉を何度も何度も考えていた。


 右手に着けたブレスレットをいじりながら――あれから肌身離さずに着けている――


 それにこのブレスレットに髪の毛と水と石が調合されているその理由。

 お母さんに聞いても教えてくれないだろうと思い、あえて聞く事は無かった。


 一日中考えているうちに疲れてきてしまった。


 何度考えても分からないし、本を読み漁ってもヒントだって無いに等しいのに考えても仕方がないと思うようになってきた。


 だが、考えないようにしてもどうしても頭にすぐ浮かんできてしまうので段々頭が痛くなってきてしまった。


 ――仕舞いには魔法で頭痛を治したくらいだ。



 その様子に見かねて、ディルクがとうとう重い口を開いた。


「覚えているか?ネム。世界を我が物にする為に必要な物達を」




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