まもりねこ。

 部屋に戻ってベッドで泣きたかったが、ディルクがまだ居るはずなので戻るわけには行かなかった。


 ネムは不思議だった。


 前まではこんなに泣くような事はなかったのに、最近は涙もろくなってきている。
 

 コットンキャンディの横にあるティッシュボックスからティッシュを数枚取り、涙を拭いた。
 
 そして部屋には戻らずにコットンキャンディの袋を取り、ソファに深々と座った。


 コットンキャンディを一口大に千切って口の中に放り込んだらストロベリー味だったので、すぐ飲み込んでしまわないように気をつけながら十分に味わうことにした。


「どうして知ってはいけないの?」


 ネムは、居間に入ってきたディルクに問いかけた。


「……時期がまだ来ないのだ」


「いつもいつも皆そう!! もういいよ! 一人にして!!!」


 そう言ってクッションに顔を埋める。まるであなたの顔なんて見たくないと言わんばかりに。




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