まもりねこ。


「翌日には近所中に知れ渡り、家族全員非難されてしまった。仲が良かった友達もお前を避けるようになり、お前を見るたびに怯えていた」



 ディルクは首を横に振った。



「そしてお前は部屋にこもりっきりになってしまった。前のように魔法を披露することもなく、むしろ魔法を嫌った」


「そんな……」


 ネムはなんて言ったらいいか分からなかった。


 自分のせいでお爺ちゃんが死に、お婆ちゃんにも両親にも辛い思いをさせてしまった。

 
 ――不思議と涙は出なかった。


 いや、無理やり抑えていたのかもしれない。

 今ここでお婆ちゃんの顔を見てしまえば確実に泣くだろう。




< 158 / 251 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop