まもりねこ。
「その間に、誰かが王に告げ口をした。周りの者はお前を抹消させようとしたが王はそれを拒んだ。尊い一つの命を簡単に消してはならぬと。そこでわたし達は遠くの町に越すことで事なきを得た」
――今まで知りたかった事実。
だが、知らないほうが良かったかもしれない。
ネムは鼓動がとても早くなるのを感じた。
皆わざと教えてくれなかったのではなくて、あえて教えなかったのだ。
――まだ時期ではないんだよ
皆の言葉が、今、理解出来たような気がした。