まもりねこ。
「マルティナと同じ答えになってしまうかもしれないんだけどね、いずれ分かるだろうよ。物事を知るには、それ相応の時期というものがあるんだ。納得いかないかもしれないんだが、これで勘弁しておくれ」
納得いかない表情をしたネムだったが、仕方ないと悟り、次の質問をすることにした。
「じゃぁ、次の質問ね。私たちって守り猫がいるでしょう? お婆ちゃんの守り猫はどこにいるの? ママにも守り猫がいないの。そして、パパにもいない」
ネムは一呼吸してから話を続けた。
「守り猫をつれていないのは既婚の人たちだけだわ! これって何かあるの? 私もいずれディルクを失うの?」
考えたくないことを考えてしまったネムは、落ち着こうとディルクを抱っこし、頬ずりした。
「落ち着くのだ、ネム。私はいなくならない。お前を守るために居る」
安心させようとしたディルクの一言で、またネムは考えてしまった。
「じゃぁ守って死んでいったって事? ――わからないよ」