まもりねこ。

 心地よいそよ風、草のにおい、土のにおい……


 子供の笑い声、それと――どこからかハーブ・チキンのにおい。

 ネムは、すぅーっと大きく深呼吸した。


 まるで自然に溶け込むかのように・・・。

「ネム!」


 急に呼ばれて、危うくキャンディを喉につまらせそうになりながら、呼ばれたほうを振り向いた。


「ママ! 危ないじゃない! 危うく死ぬとこだったわ!」


「なんの事? どうしてママが悪いのよ」


 意味が分からないといった感じで、母親はネムにホウキを渡した。


「出かけるんでしょ? 今日は雨が降るかもしれないから早めに帰ってきなさいね」


 ネムの返事を聞かずに母親は家の中に入っていく。


「……うん」






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