まもりねこ。
第四章 望まぬ再会

 あの日以来、ネムはお婆ちゃんの家に行かなくなった。


 大好きな市場にも足を運ばなくなっていた。


 一回だけ、ネムの誕生日にお婆ちゃんの家に行った。

 プレゼントを催促しに行ったわけではない。

 お婆ちゃんからお手紙が届いたからである。


 手紙を開くと、お婆ちゃんと照れくさそうに笑う陽汰が映し出され、誕生日なのだから、顔を見せにおいでというものであった。


 ――その日は、ネムにとって最高の誕生日になった。


 お婆ちゃんの家で祝ってもらい、自分の家で両親に祝ってもらったのだから。


 ネムの両親は、市場に行かないネムを不思議に思ったがあえて聞くことはしなかった。


 もちろんディルクも不思議に思っていたので、聞いてみたが答えを得ることは出来なかった。

 答える代わりに、なぜか悲しい笑顔をするのである。




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