まもりねこ。
ようやく市場に行こうと外に出ると、梅雨の季節はとっくに過ぎ、夏になっていた。
「んーっ! 暑い!」
空は青々としていて、カラッと晴れている。
気持ちのいい天気のせいか、沢山の虫やエルフ達が街に溢れていた。
――あのジメジメした季節はもう過ぎ去った。
辺りを見渡すと、草のエルフがシュンゲル虫を捕まえて、カゴに入れていた。
シュンゲル虫はよくいたずらをして、皆を困らせる生き物だ。
とても臭い匂いのする汁を口から発射して、吐きそうになる人や牛を見てはゲラゲラ笑っている。
この汁が付くと、たとえ洋服を洗っても1週間はニオイが落ちないので、複雑な魔法をかけて消すしかない。
そんな虫を主食としているのが草のエルフである。
朝から夕方までせっせと捕まえてカゴに入れて家に持ち帰るのが仕事のようなものだ。
なのでいつも皆から褒められているのでほっぺたが常に赤くなっている。