まもりねこ。
「暑いな……あたしも洋服変えなくちゃ」
そう呟き終わったネムの服は夏仕様に変わっていた。
ただ、半そでに変わっただけだったが。
「珍しいな。やっと出かける気になったのか?」
眠そうな目をパチパチしながら、ディルクも外に出てきた。
「うん! たまには外に出ないとね。新商品あるかもしれないし♪」
そしてホウキにまたがると、ディルクに手招きした。
ディルクが肩に飛び乗ってから勢いよく地面を蹴り、空に飛び立つ。
久しぶりの外の匂い、空気、空、ホウキ、風・・・・全てが心地よい。
「やっぱり魔女はホウキに乗らないとダメよね! ねぇ、ディルクは市場で何かほしいものある?」
「そうだな。コットンキャンディのミルク味が食べたい。どうしてネムの父君はコットンキャンディを売らないのだろうか」
「ふふっ。パパは昔、アレで嫌な思いしたみたいよ。何があったかは聞けずじまいだけど」