まもりねこ。
 
 見慣れた森が見えてきた。


 人が少ないようなので、簡単に降りることが出来た。

 ホウキをしまうと、デイルクを抱っこしていつものお菓子やさんに歩き始める。


「あれから来てないからなんとも言えないけど、人少ないね。開いているお店もあまりないみたい。何かあったのかな?」


「変な気配などは感じぬ。たまたまであろう。店が閉まっているのは夏祭りに向けてだと思うが」

「あっ!!」


 夏祭りの存在をすっかり忘れていたのか、驚きつつもコットンキャンディを二袋買った。



 ネムが大好きな祭りを忘れていることより、二袋も買ったことにディルクは驚いた。

 その視線に気付いたネムは、照れ笑いをしてディルクの口にひと千切り放り込んだ。


 放り込まれたディルクの顔がほころんだところを見ると、きっと大好きなミルク味だったのだろう。





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