好きやったんやで
逢瀬
室内に機械音が鳴り響いて止まない。
目の前で河原田先生が必死に心臓マッサージをしている。
「栗原さん聞こえますか」
あたしの呼び掛けにも、患者は応えてくれない。
末期の肺癌。
見付かった時には、リンパにも骨にも転移していて。
余命三ヶ月
そう宣告されていた患者。
あたしは泣いていた。
患者が一人死に行く現実を前に、恐れおののいたんじゃない。
目の前で河原田先生が必死に心臓マッサージをしている。
「栗原さん聞こえますか」
あたしの呼び掛けにも、患者は応えてくれない。
末期の肺癌。
見付かった時には、リンパにも骨にも転移していて。
余命三ヶ月
そう宣告されていた患者。
あたしは泣いていた。
患者が一人死に行く現実を前に、恐れおののいたんじゃない。