好きやったんやで
心拍数、呼吸数共に低下。

瞳孔は開いてきていて。

もう、何の望みもない。

狂いそうな頭を抱えて、あたしは出来るだけ冷静に名前を呼び続ける。


「小澤さん…」


看護師の花田主任があたしの肩を抱き寄せるけど、手の感触だって、まるで刺のように痛くて。

続けられる心臓マッサージを、あたしは壊れた人形のように見つめていた。
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