無人島
「まじでぇ?」

親友のナホが叫んだ。

「しーっ。声が大きいって。」

私は慌ててナホの口を塞いだ。

私たちは、夏休み初日、ダブルデートすべく待ち合わせの喫茶店でコーラを飲んでいた。

お互いの彼氏はまだ来てない。


昨晩、彼氏のケントから電話があった。

「明日のダブルデートさ、海へ行こうぜ。」

「え。別にいいけど。泳ぐの?水着持ってないけど。」

「泳がないって。ちょっとさ、面白いこと考えてるんだ。」

「何よ、それ。」

ケントの発想っていつも突飛で、結局おじゃんになることが度々だった。

期待せずに、ケントの次の言葉を待つ。

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