無人島
「はいはい。」

さっきの話の延長上、少し無愛想に出た。

『俺俺。もうナホちゃんは来てる?』

「とうに来てるわよ。あんた今どこにいるの?」

『実はさ、伯父さんにボートのっけた車でそっちまで迎えにいこうと思ってたんだけど、渋滞にはまっちゃってさ。このまま海に直行したほうが早そうなんだ。』

「えー!なにそれ。そしたら、私たちは自力で海まで行けって?!」

私がすっとんきょうな声を出したもんだから、ナホまで目を見開いて驚いた顔をした。

『悪いな。まじで。今日は昼飯代、ナホちゃんの分もおごるからさ。許して。』

また軽いノリで謝ってきた。

最後の最後まで振り回す奴!

思わず心の中で舌打ちをした。

「んじゃ、海でね!何時になるかわかんないわよ!」

『おっ、おい・・・』

ブチっ。

ケントが何か言い終わらないうちに携帯切ってやった。

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