月と太陽Ⅲ
ソフィアはエセルを眺めながら優しく言った。
「そうですか…。すみません。余計な事を言ってしまって」
「いえ…」
急に恥ずかしくなってきたエセルは頬を紅潮させながら俯いた。
するとフェリアが本棚のところに駆け寄り、並んでいる本を見つめながら口を開いた。
「要するにホルストという男の詳細を調べればいいのよね」
フェリアがこちらを見て笑顔をのぞかせた。
こういう暗い場面でもフェリアの前向きな考え方は頼りになる。
「そうだな。探してみよう」
レオルがそう言ってフェリアの隣に並んだ。
エセルもコクっと頷くとその辺の本棚の前に立った。