月と太陽Ⅲ
第三夜、空の監視者
草たちがざわめき始めた事にレオルがいち早く気づいた。
何かが来る。
瞬間的にそう思った。
レオルがその事を三人に伝えようとしたその時だった。
「何これ…」
エセルが自分たちの影を見て言った。
四つの影とは別に、大きな影が通り過ぎたのだ。
エセルがばっと上空を見上げる。
大空を奇怪に飛んでいたのは大きな鳥だった。
全長六メートルはあるだろう漆黒の鳥。
そして黄色い小さな瞳は四人をギロリと睨んだ。