月と太陽Ⅲ



「…そうか」


レオルが下を俯いて言った。


そして前を見据えながら続ける。

その瞳からは強い決心が感じられた。


「エセル、フェリア、サスティン。ベーチスを倒すぞ。お前達はここでくたびれてる場合じゃないんだ」


その言葉からははっきりした意志が伝わってくる。


そんなレオルを見つめながらフェリアは不安そうに言う。


「でも鳥を倒すって事はあの子も一緒に、って事になるのよ?」


「ああ…分かっている」


レオルの答えは決まっていた。


「しかし敵である事に変わりないんだ」


戦争。その果てにあるものが何なのか、エセルは分からなくなっていた。


目の前にいるレオルを見ているとそんな事をふと考えた。
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