月と太陽Ⅲ



レオルは先程から何も言わず、下を俯き、ただついてきているだけといった様子だった。


しかし、さっきのアイナの横顔。エセルにはそれが頭から離れない。


本当に兄のレオルを裏切り、太陽側の人間になったのだろうか。


あの面影が何かを物語っている気がした。


これにはもっと裏があるような―――


「もうすぐ王城の橋だな」
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