月と太陽Ⅲ
幼いながらに感じてしまった。
せっかく忘れかけていた憎しみを。
絶対に、絶対に私がこの手で……。
力の限り地を睨めつけ、ぐうっと力の限り拳を握りしめたが、今、私がしている事は何なのだろう。エセルは思った。
ホルストを探し出して倒すというのは太陽を倒す事ではない。
結局私は何がしたいのだろう。
エセルは顔をひきつらせ、ただ顔を俯けた。
そんな様子を後ろから歩いていたレオルはただ静かに見ていた。