月と太陽Ⅲ



そのままレオルはさっと腕を放した。


名を呼ぼうと口を開いたが、言えなかった。


最後に背中を押さえる手がギュッと力がこもっていた。


―――いきなりどうしたの?


自然と何だか大きな不安が襲ってきた。


まるでもう会えなくなってしまいそうな言い方。
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