秘密な基地
あの火事
「これは火事だ。」
タケシは、
更に足を速めました。
それは、明らかに
ノブオの家です。
まさか、この日が、
よく祖父母が話していた、
昔火事に
なったという日だったとは…。
とは言え、
火元は、庭の焚き火が
くすぶっていたせいだった、
と言っていたのも
今頃思い出しました。
昼間、家に寄った時、
カズコが焚き火を
していたのを見て、
何げなく火事になる事を
忠告はしていたものの、
もっと、しっかり
火事の事を伝えるべき
だったのだと、
深く後悔しました。
しかし、後悔してても
仕方ありません。
とにかく、燃え盛る
家の側まで
全力で走りました。
家の下半分は
火に覆われていますが、
まだ二階には
達していない様子です。
「火事だ―っ。」
精一杯、
大きな声をあげましたが、
周りは畑だらけで、
人影はありません。
という事は、
まだ中にノブオ達が
いるという事なのか…
二階に寝ているから
気付かないのか…。
と考えつつ、
三十年後の事を
思い出しました。
全員、火傷や傷は負ったものの、
命に別条は無く、
避難したと聞いています。
それならば、
今、未来から来た
自分が騒がなくとも、
この家族は助かる
運命なのではないかと…。
しかし、そう思った瞬間、
ハッとしました。
タケシは、祖父母が
言っていた事を
また思い出しました。
それは、火事の日、
一人の少年が
どこからともなく
家の中に現われて、
火事を知らせてくれたのだと、
おかげで家族全員
命拾いしたのだと…。
「その少年って…、俺の事…?」
タケシは、
更に足を速めました。
それは、明らかに
ノブオの家です。
まさか、この日が、
よく祖父母が話していた、
昔火事に
なったという日だったとは…。
とは言え、
火元は、庭の焚き火が
くすぶっていたせいだった、
と言っていたのも
今頃思い出しました。
昼間、家に寄った時、
カズコが焚き火を
していたのを見て、
何げなく火事になる事を
忠告はしていたものの、
もっと、しっかり
火事の事を伝えるべき
だったのだと、
深く後悔しました。
しかし、後悔してても
仕方ありません。
とにかく、燃え盛る
家の側まで
全力で走りました。
家の下半分は
火に覆われていますが、
まだ二階には
達していない様子です。
「火事だ―っ。」
精一杯、
大きな声をあげましたが、
周りは畑だらけで、
人影はありません。
という事は、
まだ中にノブオ達が
いるという事なのか…
二階に寝ているから
気付かないのか…。
と考えつつ、
三十年後の事を
思い出しました。
全員、火傷や傷は負ったものの、
命に別条は無く、
避難したと聞いています。
それならば、
今、未来から来た
自分が騒がなくとも、
この家族は助かる
運命なのではないかと…。
しかし、そう思った瞬間、
ハッとしました。
タケシは、祖父母が
言っていた事を
また思い出しました。
それは、火事の日、
一人の少年が
どこからともなく
家の中に現われて、
火事を知らせてくれたのだと、
おかげで家族全員
命拾いしたのだと…。
「その少年って…、俺の事…?」