北極星
「もうやめてよ!!!」
私は厳つい男とボロボロの男の間に入った。
「あんた人の命を何だと思ってるのよ!!!!!」
――パチン
私は厳つい男のほっぺたを叩いた。
「チ、イさまぁ…」
もう男の声はか細い。
厳つい男は叩かれたくせにニヤニヤ笑ってる。
そう、それもそのはず。
これは演技なのだから。
こんなボロボロな男を誰がかばうかよ。
ありえないし。
私の演技は結構女優並みだと言われている。
簡単に涙だって流せるんだから。