時空戦争─我等世界ノ救世主!?─
第一章:日常
机の上の真っ白な紙を、俺はぼんやりと見つめた。
周りの奴らは教師の合図を目を血走らせて伺っているようだが、俺は至ってやる気というものが無かった。
「始め!」
──ハサバサッ
教師の合図と共に、彼らは目にも留まらぬ早さで紙を裏返す。
俺は怠慢な動作でシャープペンシルをノックしながら、白い紙を裏返した。
前期数学中間考査と書かれたそれに、俺は名前を記入する。
問題番号1を難問か解き、後はざっと目を通して、再び紙を裏返した。
──…こんな薄い紙一枚で、人の能力を測ろうとするなんて、馬鹿げた話だ。
殆どの人間は、成績の善し悪しで個人の人間性を判断する。
俺もその一人だろう。
だが、俺はそれに対して、形容しがたい嫌悪感のようなものを抱いていた。
俺の成績は決して良くはないのだが、だからだろうか、どうしても優等生のような、人を見下すような言い方をする教師に対して、言い様の無い苛立ちを覚える。
とにかく。
俺は、今この世界に対して、人間に対して、言葉では表しがたい虚無感を覚え、どこかに境界線を引いているのだ。
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